ギリギリ クリスマスで妄想

妄想のボツネタを話としてまとめずに、ただここに書くだけにしようかなと思ったのですが、
パラレルにしたらいけそうだなと夜中に突然頭に浮かんできて、大急ぎで仕上げました。
ウダルチサンタのパラレル話です。
時間がなくて、結局ヨンメインになってしまいました(^_^;)
もうクリスマスも終わってしまいますが、それでも構わないと思って下さる方のみ、この先へお進み下さい。





クリスマスの奇跡


12月24日 クリスマスイブ。

「集合せよ!」
副隊長チュンソクの号令で、隊員たちは隊長チェ・ヨンのもとへ整列する。

「本日は我々サンタクロースにとって最も重要な日である。いま一度、規則を確認しておく。姿を見られた者は、即刻子供の記憶を消去せよ。よいな。我々を待ち侘びている世界中の子供たちのため、抜かりなきよう心してかかれ!」
「は!」
「いざ出陣!」

隊長の合図とともに、サンタクロース第一部隊、通称ウダルチは、トナカイの引く橇に乗り込みいっせいに飛び立った。
ヨンも自身の橇を停めてある場所へと向かう。

「あっ、隊長ー!こ、こちらですー!」
「テマン、何だその恰好は」
「へへっ、どうです?似合ってますか」
テマンはそう言って、トナカイの着ぐるみ姿をくるっと1回転して見せる。
「ち、地上に下りたときに、手に入れたんです」
「脱げ」
「えー、この恰好のほうがやる気が出てよいのですー。今年も隊長の橇引き頑張りますっ!」
ヨンは大きなため息を吐いた。

数年前、ヨンは森で野生のトナカイと暮らしているテマンと出会った。
始めは警戒して咬みついてきたが、釣った魚を分け与えたりしているうちに次第に心を開き懐くようになった。
そしてヨンは天界へと連れ帰り、ウダルチ見習いに配属した。
テマンはヨンへの恩返しだと言って、ヨンの橇引き役を毎年買って出た。
断っても、スピードと持久力には自信があります、他のどのトナカイよりもお役に立ってみせます、と言って聞かないので、ヨンは仕方なくテマンに任せることにしたのだった。

「テマン、行くぞ」
「はい、隊長!」
テマンはヨンが乗る橇を引いて飛び立った。

「イヤッホーーイ!」
今年もこうしてヨンの役に立てることが嬉しくて、ジェットコースターのように猛烈なスピードで急上昇し、1回転する。
「おいこら、テマン!何をしている!」
「ヒャッホーーー!」
次は急下降だ。
「くっ!やめぬか!」
「フゥゥーーーッ!」
上に下に、右に左に、自由自在に飛び回る。
「真っ直ぐだ!真っ直ぐ飛べ!」
橇の持ち手をぐいっと強く引っ張ると、漸く止まった。
「おっと。すみません隊長、テンションが上がっちゃって。えへへ」
「時間がないのだ。さっさと行け!」
「はい、隊長!」
ヨンは再度、大きなため息を吐いた。



次はあの家の女子か。
白い袋からプレゼントを1つ取り出す。
橇を屋根の上に停め、子供部屋のベランダへひらりと舞い降りた。
煙突が無かろうと、戸締りしていようと、実体のないサンタクロースにとって部屋へ侵入することは簡単だ。
壁をすり抜ければよいのだから。

小さなベッドに小さな女子がすやすやと眠っている。
枕元にプレゼントを置いて、その子の寝顔を見たとき、不意に体の内にある雷が暴れ出した。
しかし、それは一瞬ですうっとおさまっていった。
何だこの感覚は?
初めてのことに戸惑いを隠せない。
女子の寝顔に目を戻すと、何故か心が安らいだ。
もっと近くで、とベッドのすぐそばで大きな体を屈めて、顔を近づけた。
楽しい夢でも見ているのだろうか、女子がふっと微笑んだ。
顔にかかった髪をはらおうと触れてみるが、この手はするりとすり抜けていく。
何をやっているのだ俺は。
もう戻らねば、とベッドに背を向けて歩き出したとき―――。

「おじちゃん、だあれ?」

おじさん、とは俺のことか?
俺としたことが、油断した。
声に驚き振り向くと、女子がベッドの上に座り、目をこすりながらこちらを見ていた。
「…そなた、俺が見えるのか?」
普通の人間には見えぬが、稀に見えてしまう子供がいるという話は聞いていた。
今までそのような失態を犯したことはなく、本当の話だということを身をもって知ることとなった。

「うん、みえるよ。おじちゃん、サンタさん?」
「ああ、いかにも」
「ほんとに?わあ!うれしい!サンタさんだ!ほんもののサンタさん!」
「これ、静かに」
「うん、わかった。しーっ」
サンタクロースに会えて嬉しいとはしゃぐ女子に、自然と頬が緩む。

「あっ、プレゼントだ!あけていい?」
「ああ、開けてみよ」
がさがさと丁寧に包装をはがし、箱を開けて中身を取り出す。
「わあ~、くまさんだ!かわいい!サンタさん、ありがとう!」
満面の笑みを浮かべる女子に、うんうんと頷き、目を細める。

この光景はいつ見ても良いものだと思う。
だが、いつまでもこうしておれぬ。
大切な任務の途中である。

「もう行かねば」
「ええっ、サンタさんもうかえっちゃうの?」
「俺を待つ子がおるのでな」
「うぅっ、やだ、いっちゃやだ。もっとここにいてよぉ」
女子の瞳から大粒の涙が次から次へと溢れて、心苦しくなる。
されど、幼子の涙から目が離せず、綺麗だと思う自分はどうかしてしまったのだろうか。
女子のそばに寄り、涙を拭ってやりたくて頬に触れるが、やはり触れられなかった。

「そなた、名は何と申す」
「ウンス。ユ・ウンスだよ」
「ウンス…」
可愛らしいこの子に似合いの良い名だ。

「ウンスよ。もう時間がないのだ。良い子にしておれば、必ずまた会えるだろう」
「ひっく…ほんとうに…?」
「嘘は言わぬ」
「じゃあ、やくそくしてぇ?」
「…分かった。約束する」
「いいこにしてまってるから、ぜったいきてね」
こくりと力強く頷き、微笑みを交わす。

「さあ、もうベッドへ入って。寝る時間はとうに過ぎておる」
肩まで布団を掛けてやる。
「おやすみなさい、サンタさん」
「おやすみ。良い夢を」

ウンスの頭上に手をかざすと、白い光が広がってウンスの体を包む。
すうっと眠りに落ちていくウンス。
そうやって、俺はウンスの記憶を消した―――。



「ウンス?起きてるの?」
ウンスの喋り声が聴こえた気がして、母親は様子を見に子供部屋へ入る。
「寝てるわ。嫌ね、気のせいかしら」
「う、ん。…サンタ、さん…」
「あら、寝言?ふふっ、すごく楽しそうな顔しちゃって。サンタさんの夢でも見ているのかしら」
愛おしむように頭を撫でて、肌蹴た布団を掛け直す。
「おやすみ、ウンス」



「お、お疲れ様です、隊長。あれ、なんか辛そうなお顔をなさって…」
「何でもない。急ぐぞ!」
「あ、はい、隊長」
テマンは次の場所へと勢いよく飛び立った。



12月25日 クリスマスの朝。

サンタクロースは今年も無事任務を終了し、天界へと戻っていった。
子供たちはサンタクロースからのプレゼントに歓喜の声を上げる。
ここにも、1人。


「わあ~、くまさんだー!これほしかったの。かわいい!」
「おはよう、ウンス。プレゼントもらったの?良かったわね」
「うん!サンタさん、ありがとう!」
ウンスの笑顔に、母親はこの上ない幸福を感じて胸がいっぱいになる。

「あっ!あのね、わたしサンタさんにあったよ!」
「えっ?ああ、サンタクロースの夢を見たのね」
「ううん、ゆめじゃないよ、おはなしたんだよ。うーんとおおきくて、とおーってもかっこよかったよ!」
「大きくて、かっこいい!?サンタクロースっておじいさんでしょう」
「ちがうよ~。おじいさんじゃなくて、おじちゃん?おにいさんだったもん!」
若いイケメンサンクロースの夢を見るなんて、この子ったらおませさんね、と母親は我が子を微笑ましく思った。


ウンスは窓から清々しい朝空を見上げ、昨夜のサンタクロースの姿を思い浮かべる。
「サンタさん、まってるからね。やくそくだよ」




続くかも?


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テーマ : 韓国時代劇
ジャンル : テレビ・ラジオ

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若いヨンサンタ

良いですね♪

可愛いウンスちゃんと若いヨンサンタ。
そしてテンション高いテマンソナカイ。

サンタの服を着たヨンやサンタ。
私の所には来ませんでした( ´△`)残念。

可愛いお話ありがとうございました(^-^)/

Re: 若いヨンサンタ

itukitikalさん、コメントありがとうございます!
ウダルチサンタの話を書きたかったはずなのですが、結局ヨンとウンスの話になってしまいました(笑)
たくさんのキャラクターを動かすのは難しいですね(^_^;)

うちにもヨンサンタ来ませんでしたorz
いつ攫いに来てくれてもいいんですけどね~(笑)

こちらこそ読んでいただき、ありがとうございました!
プロフィール

ちはや

Author:ちはや
2013年夏、BSフジで「シンイ-信義-」を見てハマりました。
シンイ熱とヨンへの愛はまだまださめません!

コメント大歓迎ですのでお気軽に♪

たまに妄想を書いていますが、何の心得もないただの素人が好き勝手に書いているだけです。
恥ずかしいのでひっそりとやらせてください(^_^;)

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