クリスマスで妄想 2話

クリスマスの妄想文 2話です。
1話がまだの方はこちらからどうぞ→1話
こういう文章が苦手な方はご注意ください。





「―――をしてほしいの」
それを聞いたヨンは眉間に皺を寄せて、はあーとため息をついた。
「何故そのようなことを。俺の体面も守ってくださいと申したでしょう」
嫌がるヨンにウンスはそっと抱きつき、耳元で甘えた口調で囁く。
「みんなを驚かせたいのよ。それにはあなたが必要なの。ねえ、お願い。あとでご褒美あ・げ・る・か・ら♡」
頬にちゅっと可愛く口づける。
「イムジャ…!」
ヨンは大きく目を見開き、頭に血が上って一気に熱くなる。
抱き締めたくて腕を回そうとするが、ウンスの体はするりとすり抜けた。
「今はまだ駄目よ。全部終わってから、ね!」
ウンスはとびきりの笑顔でそう言って、片目をぱちっとつぶってみせた。
ウンスの瞳から星がきらきらと零れ落ちるのを確かに見た(ような気がした)ヨンは、心を射抜かれ動けなくなった。
「さあ、頑張りましょう!あっ、その前にこれに着替えてね」
愛おしい感触の残る頬に手を当てながら、この方にはやはり敵わぬと観念し、覚悟を決めた。
「ほら!ぼうっとしないで!早く早く!」
「イムジャ…。褒美とやら、忘れないでください」
「オーケー!ウンス様にまかせなさい!」



「それじゃ、心の準備はいい?」
「…はい」
「あっ、また怖い顔してる。スマイル、スマ~イル!」
ウンスは人差し指でヨンの口角をくいっと持ち上げる。
ヨンは自分の顔に当てられたウンスの手を握って下ろし、ぐっと顔を近づけた。
「もたもたしててよいのですか?早く終わらせていただきたく」
間近に迫って凄むヨンに、ウンスの胸はどきりと鳴ったがそれを無理矢理静める。
「そ、そうね。じゃあ行くわよ」
ウンスは大広間の扉を勢いよく開けた。

「皆さーん、サプライズプレゼントのお時間ですよ~!」
大広間にいた者たちは何事かといっせいに扉の方に注目し、その光景に目を丸くして静まり返った。
ウンスは、襟と袖口が白く縁取りされた赤い着物姿で現れたのだ。
頭には着物と同じ赤い布で作られた頭巾を被っており、高麗では誰も目にしたことのない、なんとも珍奇な恰好であった。
ウンスはミニスカートのほうがもっと雰囲気が出るのだけど、と着替えている最中に裾を膝上まで捲ってヨンに見せたが、とんでもなく激怒されたので、それは止めておくことにした。

ウンスに、早く、と呼ばれてのっそりと入って来たヨンの姿に、皆は更に驚愕した。
ウンスと全く同じ赤い着物と赤い頭巾を被っており、手には白い大きな袋を持っていた。
皆は呆気にとられ、一部の者は顔がにやけそうになったが、どす黒いオーラの漂うヨンに鬼のような形相で睨まれて、目線を下に落とし青ざめた。
しんと静まる部屋を見渡して、ウンスは不思議に思った。
「あれ~?ここ一番盛り上がると思ったのに。おかしいな」
いや、あなたの後ろにおられるお方のせいですよ、とチュンソクは心の中でつっこみをいれた。
「まあいっか。さあさあ、皆様にプレゼ…贈り物をしたいと思います!」
ウンスはヨンが持つ袋の中から包みを一つずつ取り出し、卓を回りながら手渡していった。

「男性陣には、ユ・ウンス特製軟膏です。どんな傷にもよーく効きますよ!はい、副隊長さん、どうぞ受け取ってくださいな」
「はい、有難く頂戴いたします。…あの、医仙殿。その恰好、大変よくお似合いです」
チュンソクは照れた顔をしてそう言った。
「あら、ありがとう!これはサンタクロースといって、天界ではクリスマスの前日に子供たちへ贈り物を配るのよ。これをどうしてもやりたかったの!恋人同士や、親しい仲間と贈り物の交換をすることもあるわ」
「はあ、天界ではそのようなことが…」
嬉しそうに話すウンスが可愛らしくて目尻を下げるチュンソクだったが、ウンスの後ろで腕組みをして殺気立つ大護軍に睨まれて、それ以上何も言えなくなった。

「女性陣には、これまたユ・ウンス特製の石鹸と化粧水です。美に磨きをかけて、素敵な殿方をゲットしてね!」
全て渡し終えたウンスは、一言挨拶をして、宴はお開きとなった。



参加者を見送った後、ヨンとウンスは夫婦の部屋へと戻った。
「今日は本当に楽しかったわ!あなたのお陰よ、ありがとうチェ・ヨン」
「いえ。イムジャは今宵の為によう動いておいででした。それが良い結果となったのでしょう」
ウンスの突飛な提案に付き合わされたが、周りを巻き込み良いほうへと導く、掛け替えのない存在であるこの方に振り回されるのも悪くないと思うヨンなのであった。

「はいこれ、あなたにも軟膏をプレゼントするわ。どんな小さな傷も教えてね。私が塗ってあげるから」
「はい。必ず」
塗ってもらえるのは俺だけの特権だ。ヨンは嬉しそうに微笑んだ。

「それからこれも。開けてみて?」
ウンスは小さな包みをヨンに渡した。
包みを開くと、中には小さい紺色の巾着袋が入っていた。
「それはお守り。私のお手製よ。どう?上手く出来てるでしょう?」
「お守り、ですか」
「ずっとそばにいられたらいいけど、あなたは皆に必要とされている人だから。危険な目にあったり、戦をすることがあるかもしれない。だから、離れている間、私の代わりにあなたを守ってくれますように」
微笑んではいるものの、寂しさを隠しきれないウンス。
その細い肩を、ヨンはそっと抱き寄せた。
「お心遣い、感謝します。天のご加護か。俺は果報者だ」
この方は今も変わらず俺を護ろうとして下さる。
ウンスの想いにヨンの胸は温かくなる。

「イムジャからいただいてばかりだ。贈り物の交換をすると言うておられたが、俺はそのような風習を知らぬゆえ、今は何も贈る物がありませぬ」
「いいのよ。あなたは私を護ってくれてる。そばにいてくれたら、それで十分なの」
「ですが…」
「この立派なお屋敷においてもらえて、とても幸せよ。ここにいると、いつでもあなたを感じることができる。離れていても、ここで過ごしたあなたとの思い出が私を支えてくれるの」
肩に凭れて頬を摺り寄せてくるウンスに、ヨンは肩を抱く手の力を強める。
「たとえ戦地に向かおうとも、俺は必ず戻ります。ゆえに、イムジャはここで安心して俺の帰りを待っていてください」
「ええ、約束するわ。ずっと待ってるから」
ウンスさえそばにいてくれれば他に何も望むものはない。
任務すら投げ出したくなるほど溺れている。
愛おしさが込み上げてきて、ウンスの顎を持ち上げ、唇を近づけたとき――

あ、とウンスが素っ頓狂な声を上げた。
「写真があればいいんだけど」
良い雰囲気を壊され、ヨンは小さくため息をつくが、とりあえず話を聞いてみることにした。
「何ですか、それは」
「天界では、人や風景を鏡に映すように姿をそのまま紙に焼きつけることができるの」
「まことに?にわかには信じがたい話です」
ヨンは想像もつかず驚くばかりであったが、切なげな瞳でウンスを見つめた。
「されど、俺には必要ありませぬ。そのようなものがあれば、余計にイムジャが恋しゅうなる…」
今度は逃がすまいと、ヨンは素早い動作でウンスの唇を奪った。





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テーマ : 韓国時代劇
ジャンル : テレビ・ラジオ

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はじめまして

少し前にシンイ廃人となったものです。感想を1話ずつ書かれているのを楽しみにお邪魔しています。(私も感想を書いています)クリスマス妄想のお話楽しいです^^ヨンをうまく操っている(?!)ウンスやりますね~続きも楽しみにしています^^

Re: はじめまして

h-imajingさん、はじめまして。
ご訪問&コメントいただきまして、まことにありがとうございます!

私は今夏にシンイと出会ってからシンイ廃人となりました。
未だにシンイの世界から抜けられそうもなく…。
最近は妄想ばかりしていまして、感想1話しか書けていません(^_^;)
すみませんm(_ _)m

クリスマス妄想に感想をありがとうございます!
ヨンはウンスの望みは何だって叶えてあげたいし、お願いされたら嫌とは言えないんじゃないかと妄想してます。
ウンスだけに甘々なヨンです(*^-^*)
続きを楽しみにして下さっているなんて、とても嬉しいです~!
今夜更新しますので、良かったらお読みになってくださいね。

ヨンサンタ

ご褒美に釣られてサンタになるヨンが可愛い。しかしオーラがサンタとは似ても似つかない雰囲気みたいですが(笑)

ミニスカート風な服にしようとして激怒されるウンス。ヨンの気持ちを理解しない、空気の読めないウンスはある意味凄いですね!

これからメインイベントですね(*^^*)

Re: ヨンサンタ

itukitikalさん、続けてのコメントありがとうございます!
ヨンにサンタをお願いしてみました。
本当はウダルチ全員にサンタをやってほしかったのですが(笑)

ウンスはスタイルがいいですし、足も綺麗なので、ミニスカサンタ似合うと思うのですよ!
でも高麗では到底無理ですね(^_^;)
プロフィール

ちはや

Author:ちはや
2013年夏、BSフジで「シンイ-信義-」を見てハマりました。
シンイ熱とヨンへの愛はまだまださめません!

コメント大歓迎ですのでお気軽に♪

たまに妄想を書いていますが、何の心得もないただの素人が好き勝手に書いているだけです。
恥ずかしいのでひっそりとやらせてください(^_^;)

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