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パートナー 2.遅すぎた心(妄想)

Category - シンイ妄想
続きがやっと書き終わりました。
書いていくうちにどんどん長くなってしまいました(^_^;)
続きものですので、まだの方はこちらからどうぞ→ パートナー 1.医仙の噂
いつものように拙い文章ですが、それでもよろしければお読みくださいね。






ヨンはウンスの部屋へ向かいながら、苛立ちを抑えられないでいた。
何故俺が医仙と侍医の噂を気にする必要がある。
医仙が誰と恋仲になろうと、俺には関係ない。
(関係・・・ない・・・)
そう思った瞬間から、胸がずきずきと痛み始めた。

医仙はいずれ天界へ帰られる。
天穴の前で、武士の名に懸けて必ずお帰しすると約束した。
天界で自由奔放に生きてこられた医仙には、下界の俺の常識など通用せず、さっぱり掴めない。
医仙のお心が誰に向いておるのか考えたこともなかった。

・・・否、考えなかった訳ではない。
考えぬよう、想わぬよう、心の奥底に押し込めていたのだ。
恨まれて当然であるお方に懸想心を抱くことなど許されるはずがない。

噂話程度で済むならまだ良かった。
だが典医寺で耳にした真実により、気付かぬふりをして仕舞いこんでいた医仙への許されぬ想いが一気に溢れ出した。
ヨンは立ち止まり、自嘲気味な笑みを漏らした。
パートナーとやらになり、浮かれていたのは俺だけだったということか。
いつからか、俺は医仙を・・・イムジャを、恋い慕っていたのだ。
目を閉じれば、浮かんでくるのはイムジャの輝く瞳と眩しい笑顔。
これがその証だ。
(俺は何をやっていたんだ)
こういう事態に陥らなければ、想いを認めることすらできなかった。
俺はきっと――遅すぎた。

イムジャ。
あなたのお心にはもう別の奴を入れてしまわれましたか。

ヨンは重く息を吐き出して、天を仰いだ。
漆黒の夜空が広がり、下弦の月が浮かんでいる。

イムジャと俺の心は、この夜空に光輝く月よりも遠いのですか。
地上から手を伸ばしても届かぬほどに。
あのとき握った手のあたたかさを思い返すと、胸がひどく痛んだ。


***


イムジャの部屋の前まで来てみると、窓から灯が漏れている。
夜も更けたというのに、まだ寝ていないのか。

護衛を任せているウダルチに声を掛けた。
「医仙はまだ起きているのか」
「はい。最近は遅くまで起きていらっしゃる日の方が多いご様子で」
「今、一人か」
「この時刻に訪ねて参られるお方はおりませぬ」
「昨夜は? 一昨日、その前はどうだ?」
「昨夜・・・ですか? 私は非番でしたので・・・」
「もうよい。今宵は俺が代わる。お前は下がって休め」
「はっ」
訝しげな顔をしながら去っていったウダルチの姿が見えなくなると、ヨンは扉に近い壁に背を預けて座り込んだ。

ここまで来てはみたものの、イムジャと顔を合わせる勇気が出なかった。
あの噂話の真相を直に聞くのが怖いのだ。
笑顔が見られればそれでいい。
そんなのは偽り言だ。
他の男の話をして、はにかむイムジャなど見たくもない。
もう護らなくていい。
そう言われるに違いない。

ヨンは鬼剣を手に取り、じっと眺めた。
イムジャによって生かされたこの命。
イムジャの為に命を賭して戦うことが俺への使命であり、運命であると思っていた。
イムジャのそばで、その笑顔を護りたかった。
これからそれが出来るのは、俺ではなくチャン侍医だ。
おそばにおられず、約束を果たせぬのなら、俺は――。


そのとき、突然ウンスの部屋の扉が開いた。
「あら? ひょっとして、そこにいるのはパートナー?」
ヨンは予想外の出来事に驚いて鬼剣を落としそうになるも、慌てて持ち直して立ち上がった。
「イムジャ。このような夜更けにどちらへ?」
ヨンは上擦りそうになる声を必死で抑えた。
「うーん、ちょっとね。お腹空いちゃって眠れないから、何かもらおうかなって」
そう言って微笑むウンスに、ヨンはため息を吐いた。
「この時刻に食い物などありませぬ」
「えっ! そうなの? そうよねぇ・・・。こんなことになるなら非常食でも用意しておくんだったわ」
イムジャの頭の中には食い物のことしかないのだろうか。
全く、呑気で困った方だ。

「あなたこそ、こんな時間にどうしてそんなところにいるの?」
「俺は・・・護衛です」
「護衛って私の? まさか、ずっとそこにいたの?」
「はあ、そうですが」
「声を掛けてくれたらいいのに。入って、お茶でもどう?」
ヨンの心臓がどくりと跳ねた。
「いえ、結構です」
「つれないのね。パートナーなのに最近全然顔を見せてくれないし、この前も逃げられちゃったわ。久しぶりなんだから、いいでしょ?」
ウンスはそう言って、ヨンの袖の端を掴んだ。
ヨンは息を呑んで、掴まれた袖に見入った。
「俺は・・・護衛を・・・」
「護衛なら中でもできるじゃない。ね、お茶の一杯も駄目なの?」
夜更けに男を部屋へ誘い入れるとは、どういうことか分かっておるのか?
あなたはそうやって・・・。
ヨンは眉を顰めたが、輝く瞳に見つめられては抗う術もなく、首を縦に振るしかなかった。
ウンスはにっこり笑ってヨンの手を引き、部屋へと入っていった。



卓上に茶碗が二つ並べられた。
一杯だけだ。これを飲み干したら出て行こう。
ヨンは茶を一口含み、気まずさと一緒に飲み下した。

向かいに座ったイムジャは、茶を啜ってはちらちらとこちらの様子を窺っている。
「ねえ、私に何か聞きたいことはある?」
イムジャに聞きたいこと?
ずっと前から山のようにある。
そして今は聞きたくても聞けぬことがある。
我ながら情けない。
聞いたところでどのような答えが返ってくるか分かっている。
努めて冷静に「ありませぬ」と言うので精一杯だった。

「そう。じゃあ、私から聞いてもいい?」
「何なりと」
「宮中で私のことが噂になっているみたいなんだけど、知ってる?」
ヨンは口に含んだ茶を噴き出しそうになるのを堪えた。
「聞いております」
「やっぱり知ってたんだ! それでなのね、やっと分かったわ!」
一番避けたかった話をこれからイムジャはしようとしているのか?
それに一体何が分かったというのだ。
へらへら笑っているイムジャを見ていると、何故だか無性に腹が立つ。

「ちゃんと説明するからよく聞いて。チャン先生と」
「言うな!」
それ以上聞きたくなくて、思わず声を荒げてしまった。
ウンスはその声に唖然としてヨンを凝視している。
「やめてくれ・・・」
奴と・・・寝たのだろう。
惚れた女人から別の男と一緒になる話を聞かされるほうの身にもなってほしい。
何て残酷な方だ。

ヨンは目を背けて立ち上がった。
「もう行きます」
「待って!」という声を無視して、鬼剣を持ち歩き出す。
扉に手をかけたとき、後ろから突進してきたイムジャの体がぶつかった。
「行かないで」
柔らかな体が背に触れ、細い腕が腰に回される。
今まで感じたことのない、燃え上がるように熱い何かが込み上げてくる。
(あなたはそうやって・・・!)
猛炎の勢いは凄まじく、ヨンの理性まで焼き尽くした。


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Category - シンイ妄想

12 Comments

いつき  

とうとう?

そんなに心配してるけど、聞けないのね…

そうよね…でもウンスも気にしてたのね!

それなのにヨンったら(^^;

ウンスの方が正直で行動的?まぁ、ヨンにしてみたら気持ちに気づいても、どうしようもないと思ったんでしょうけど。

ヨンをそのまま行かせちゃったらダメよ~ウンス…ファイティ~ンq(^-^q)
頑ななヨンの心に火をつけてあげて(#^.^#)

ちはやさん、長くなるのは構いませんよ~大歓迎です( ´艸`)

2015/01/20 (Tue) 01:51 | EDIT | REPLY |   

りえ  

待ってました

ちはやさん
おはようございます!
続きを楽しみにしていました。
ヨンの胸のうちが切ないです。
一緒に胸が痛くなる・・・誤解が解けるといいな。

2015/01/20 (Tue) 05:11 | REPLY |   

テジャン  

おじゃまします

お~~いv-10

この場面で終わらせるなんてv-395
次回はいつ?
老い先短い老婆は気も短い!

애타게 기다리고 있습나다
소고하세요

2015/01/20 (Tue) 08:25 | REPLY |   

ちはや  

Re: とうとう?

>いつきさん
何となくですけど、ヨンは思い込みが激しそうな人だなぁと思います(^_^;)
ウンスに想いを伝えても困らせるだけだし…(´・ω・`)
ヨンのイメージが違っていたらごめんなさい

長くなってもいいんですか?(笑)
その分だけ時間かかって、UPも遅くなっちゃいますよ(^w^)
こんなにヨンの語りを入れるつもりはなかったんです。
もっとコンパクトにまとめられたらいいのに。。。

コメントありがとうございました♪

2015/01/20 (Tue) 13:31 | EDIT | REPLY |   

ちはや  

Re: 待ってました

>りえさん
こんにちは!
待っていてくださったなんて、嬉しすぎます(*≧∀≦*)

ヨンはもうそばにいられないかもしれないって真剣に思い悩んでます(´・ω・`)
誤解を解くにはウンスが頑張るしかない!?
私も頑張って続きを書きます!(笑)

コメントありがとうございました♪

2015/01/20 (Tue) 13:44 | EDIT | REPLY |   

ちはや  

Re: おじゃまします

>テジャンさん
ここで切るしかなかったのです。
すみません(^_^;)

次回はいつかな?
書いてみないと分かりません( ̄▽ ̄;)
パスワードも変えなきゃいけないし(笑)
気長にお待ちくだされ~!
キダリョジュセヨ(合ってますか?)

コメントありがとうございました♪

2015/01/20 (Tue) 13:56 | EDIT | REPLY |   

心の旅人  

あらあら

天界の女は積極的なのよ♪
誤解したままでヨンはどうするのだろう
抱きついたウンスの思惑は?
朝の連ドラと同じでいいところで切られちゃった~
あっそうそう
侍医が来ていた訳もまだ知らされてないじゃん!

2015/01/20 (Tue) 21:17 | EDIT | REPLY |   

ちはや  

Re: あらあら

>心の旅人さん
すべては次回明らかに!
なんちゃって(笑)

こんなところで切られたら気になりますよね。
私も読み手の一人なのでお気持ち分かります(^_^;)
なるべく早く書き上げたいと思いますが、ミノくんの映画公開で毎日お祭り騒ぎ…。
しばらくお時間をくださ~い!

コメントありがとうございました♪

2015/01/20 (Tue) 22:43 | REPLY |   

h-imajin  

おおぅぅ

ちはやさんがヨンになっちゃった?!と思えるくらいヨンの心情がビシバシ入ってきます・・

>こういう事態に陥らなければ、想いを認めることすらできなかった。
ああ・・ここ痺れます・・

続きを首を長ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーくしてお待ちしております。

2015/01/20 (Tue) 23:02 | EDIT | REPLY |   

ちはや  

Re: おおぅぅ

>h-imajinさん
ヨンに近付けましたか、私(〃▽〃)
h-imajinさんは甘々よりもこういう話のほうがお好きなんですよね。
この話書くの迷いましたが、やっぱり書いてみて良かったです!

いやいや、そんなに長くしないで(笑)
頑張りますけど、私が書く話なのであんまり期待しすぎないでいてくださいね(^_^;)

コメントありがとうございました♪

2015/01/20 (Tue) 23:32 | REPLY |   

にゃんたろ  

ヨンが

いつになく熱い!!!
熱いぞ~~~!!!!
続きが楽しみです!!^^

2015/01/21 (Wed) 08:22 | REPLY |   

ちはや  

Re: ヨンが

>にゃんたろさん
ヨン燃えちゃってます

続き…昨日は一文字も書けませんでしたσ( ̄∇ ̄;)
他にも書きたい話があるので、今日からまた頑張ります~

コメントありがとうございました♪

2015/01/21 (Wed) 15:15 | EDIT | REPLY |   

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