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夏氷 ヨンside 4.大切な人(妄想)

Category - シンイ妄想
やっと書き終わりました!
これで私の夏も終わりです(笑)

前回はコチラ → 夏氷 ヨンside 3.思い出

シンイ夏祭りに参加させていただいて楽しかったですし、いろいろと勉強になりました。
読んでくださった皆様、ありがとうございました!(^▽^)








ヨンは肩を落として、今朝の約束を後悔した。
クッパなどいつでも食べられるではないか。
俺との時間よりもクッパとスリバンを選ぶのか?

「イムジャは俺よりもクッパが良いのですか?」
我ながら諦めが悪い。
ヨンは苦笑をもらした。

「拗ねてるの? うーん、そうね。マンボ姐さんのクッパは大好きよ。スリバンの皆もね」
ヨンは不機嫌な顔をして立ち止まる。
ウンスはふふっと笑って、ヨンの手と自身の手を繋いで指を絡ませた。
「あなたと一緒だからいいんじゃない。のんびりお散歩して、高麗一美味しいクッパを一番大切な人と二人でいただくの。こんなに幸せなことが他にあるかしら? 忘れないで、私の一番はいつだってあなただってこと!」

ウンスはヨンの胸を軽く叩くと、一気に駆け出した。
ヨンは呆気にとられて、ふわふわと風に靡く赤みがかった美しい髪にただただ見惚れていた。

「おーい、早くー! 置いてくわよー!」
振り返って笑顔で手を振るウンス。
ヨンは小さく息を吐いた。
(全く、イムジャにはかなわぬ)

早足ですぐに追いつき手を握る。
「イムジャ、そちらの道ではありませぬ。そこの角を曲がると何度言えば……。これだからイムジャから目が離せぬ」
「あら、そうだったっけ? まあいいじゃない、今日はあなたがいてくれるんだし。ああ、何だかお腹空いちゃった。ね、お酒呑んでもいいわよね?」
「酒ですか?」
「久しぶりなんだから、とことん付き合ってもらうわよ!」
うきうきと楽しそうに笑うウンスを見て、ヨンはこれから後に起こることが安易に想像できた。
酔っ払い相手に気を揉むことになるのだろう。
面倒だが、イムジャの楽しみを奪うのは本意ではなく。
呑み過ぎぬよう、しっかり見張っておかなければ。
「イムジャ、酒はほどほどに。良いですね」







「はあー、風が気持ちいいー」
「酒はほどほどにと申したでしょう」
背に負ぶさる酔っ払いに話しかけるが、拍子の外れた鼻歌を口ずさんではくすくすと笑ったり、まるで聞いちゃいない。

案じていた通り、ヨンの予感は見事に的中した。

マンボ姐のクッパを堪能しながら酒が進み、ヨンとウンスが来ると聞きつけ集まったスリバンの面々が良い呑みっぷりだと面白がって呑ませるので、調子に乗ったウンスはヨンの制止を振り切って呑み続けた。
ジホやシウルは早々につぶれたが、
「あたしはまだまだイケるわよ」
「このウンス様に勝てると思ってるの? 上等よ!」
と呑み比べが始まり、あちこちに転がる空の酒瓶に堪えられなくなったヨンは、ウンスの手から無理矢理杯を奪った。
しかし時すでに遅く、ウンスは前後不覚に陥るほど酩酊していた。
そして今に至る、というわけだ。

「あっつーい!」
ウンスは袖をまくり上げ、襟元をぐいぐい開こうとしている。
「おい、止めぬか! 屋敷まであと少し辛抱せよ!」
何をしでかすか分からぬ酔っ払いに、ヨンは気が気でなかった。
「あっ! お饅頭食べたい! ねえ、あそこの店に寄ってよ」
「今日は駄目です。また今度にしましょう」
「ええー! ケチっ! 今食べたいの!」
ウンスはぽかぽかとヨンの背を叩いて騒ぎ立てている。
「こら、じっとして! 暴れると落ちるぞ!」

やはり面倒なことになった。
一人で歩けぬようになるまで呑むとは、イムジャのほうこそ酒はしばらく禁止だ。
いや、イムジャがこうなったのは俺のせいでもある。
上機嫌で楽しげな笑みを浮かべるイムジャを見ていたくて、止められなかったのだ。

「あついぃー!」
「それほど暑ければ、饅頭より氷のほうが良いのでは? さすがに今日は無理ですが、手配して屋敷へ届けさせましょう」
喧しかった背の上の酔っ払いが急に静かになった。
「イムジャ?」
声を掛けても反応はなく、すうすうと可愛らしい寝息だけが聞こえてきた。

全く、この方の自由な振る舞いには呆れてしまう。
だが、それでいい。
屋敷の奥にいて大人しく夫の世話を焼くイムジャを想像すると口元が緩む。
いつまでもイムジャはイムジャらしく。
そんなあなたに俺は惚れたのだから。


ヨンが足を止めて、ずれたウンスの身体を抱え直したとき。
「ヨン。愛してる」
寝言だろうか? 起きた気配は無い。

愛。いつだったか言葉の意味をイムジャが教えてくれた。
その人の為なら自分がどうなろうと構わない。
恋しくて仕方なくて、ずっとそばにいたいと思うこと。

「俺もです」
そう呟くと、満足げにふふっと笑う声が聞こえたような気がした。




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Category - シンイ妄想

10 Comments

みかん3  

ありがとうございました。

夏の終わりに、素敵なお話をありがとうございました。
ヨンが傍にいるとわかっているから、安心して酔えるんですよね(*^_^*)
そして、自分の心のまま過ごせるんですよね。 ヨンもそんなウンスが愛しいと…。
chihaya様のお話を読んでいると、お互いを想う二人の気持ちが伝わってきます。

2014/09/03 (Wed) 08:54 | EDIT | REPLY |   

ミコ  

ありがとうございました。

夏祭りの「夏氷」の続き、読ませてもらって嬉しかったです。
二人同じ夢を見るなんて、もしかしたらホントに天界へ行ってきたのかもね。

Chihayaさんのお話、ひとつの同じ話でも、ヨンからの、ウンスからの気持ちがわかるお話があって大好きです。

ヨン、今回は約束守ったんで、ウンスさん、またお相手してあげてね。( ´ ▽ ` )ノ

2014/09/03 (Wed) 10:21 | EDIT | REPLY |   

itukitikal  

結局…

こうなりますよね。

よく食べ、よく飲んで…楽しい時間を好きな人と一緒にいられるんですから。

ウンスのそんな姿を優しい眼差しで見つめるヨンが、目に浮かびます。

一番安心できるヨンの、それも背中。
羨ましい。

高麗にはそんな奥さんなんていないんでしょうねぇ~心配の種はつきなくてもヨンは幸せなんですね。

2014/09/03 (Wed) 18:15 | EDIT | REPLY |   

chihaya  

Re: ありがとうございました。

>みかん3さん
タイトルとあんまり関係のない話になってしまいましたが、大丈夫でしたか?(^_^;)

ヨンと愉快な仲間たち(笑)に囲まれて、気が緩んじゃったのでしょうね♪
ヨンは心配でたまらないけど、ウンスらしさを失わないで欲しい。
二人の関係ってすごく素敵だなと思います♡

私は溢れ出た妄想を書いているだけなのですが、気持ちが伝わると仰っていただけるなんて夢のようで、
すごく嬉しいです(*^-^*)
コメントありがとうございました!

2014/09/03 (Wed) 18:53 | REPLY |   

chihaya  

Re: ありがとうございました。

>ミコさん
二人でゆっくり天界見物できるといいなぁと思います。
ヨンは嫌がるかもしれないけど(笑)
ウンスのご両親に挨拶して、天界のいろいろなものを見てきてほしいです。
ウンスが刺激的な格好をしてヨンを誘惑したり(*´艸`)
…いつもこんなことばっかり考えてます(^_^;)

ヨンはちゃんと約束守ってくれたし、介抱してくれたりもしたので、
その礼は閨できっちり返してもらったのではないでしょうか♪

コメントありがとうございました!

2014/09/03 (Wed) 21:35 | REPLY |   

chihaya  

Re: 結局…

>いつきさん
ヨンの逞しくて広い背中には安心して身を任せられそうですね♡
書きながら、私も背負われたい!と思いました(笑)

>心配の種はつきなくてもヨンは幸せなんですね。
本当にそうですよね。
自由奔放なウンスにはやきもきさせられるけど、そんなウンスが好きだからヨンは幸せ♡
お似合いな二人ですね(*^-^*)

コメントありがとうございました!

2014/09/03 (Wed) 22:28 | REPLY |   

まらいかか  

やはり、コメント遠慮しようかと思いましたが、お話とても素敵で、またまた幸せ気分になれましたので、お礼を。。。ありがとうございます★
こんな二人をずっと見ていたい、そう思います。
また見せてくださいね!
ウンスの前ではカワイイ武士ですね、ヨン★

2014/09/03 (Wed) 23:23 | EDIT | REPLY |   

心の旅人  

いいな

いっぱい飲んでつぶれても
そっとおぶって暖かく
心地よい揺らぎのなかで
愛してる
愛してるわ

優しい夢のなかに
しっとりとした安らぎ

お幸せね♪

2014/09/03 (Wed) 23:47 | REPLY |   

chihaya  

>まらいかかさん
こちらにもコメントありがとうございます(^-^)

ドラマ本編でイチャイチャする二人をもっと見たかったです!
ウンスに翻弄されるヨン、可愛いと言っていただけるとは思いませんでした(*^-^*)
こんな妄想でよければ、またいつか書きますね♪

2014/09/04 (Thu) 00:14 | REPLY |   

chihaya  

Re: いいな

>心の旅人さん
私が書くヨンは優しすぎるかな?甘すぎるかな?
時々悩んでしまいますが、こんなふうにしか書けないんですよね(^_^;)

この話の中の二人に幸せを感じてくださったのなら、私も幸せです♪

コメントありがとうございました!

2014/09/04 (Thu) 00:28 | REPLY |   

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