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最後の恋 1.キス(妄想)

Category - シンイ妄想
またよさげなタイトルが思いつきませんでした(^_^;)
これはずっと書きたかった話で、漸く動き出すことができて嬉しいです。
ちょっと長めの話になるかもしれません。
個人の妄想だということをご理解の上、お読みくださいませ。








「もう一度隊長と呼んでくれ」


ウダルチ隊舎の片隅で、激しい訓練を行うウダルチの様子をぼうっと眺めながら、
ウンスはあのときのことを頭に思い浮かべていた。

「もう一度隊長と呼んでくれ」
隊長、なんて呼ばれ慣れてるはずなのに。
何があの人をつき動かしたのだろうか。
ゆっくりと近付いてくるチェ・ヨンの顔。
どくん、どくん、と心臓がうるさいくらい鳴っている。
あと少しで唇が触れる――。

だがそれは間の悪い乱入者により未遂に終わった。
二人の距離が縮まって、ヨンの熱い瞳に見つめられる。
ただそれだけで、熱くなってしまった体。
発熱したのかと、思わず額の熱を確かめ、診脈してみたほどだった。

あのときのことが忘れられず、ウンスはあれから何度も思い返していた。
その度に胸が高鳴る自分に戸惑う。
(顔が熱いわ。あの唇が忘れられないなんて、どうかしてる)
ウダルチに厳しく指導するヨンの姿をつい目で追ってしまう。
(こんなふうに、誰かを強く想う気持ちが私にもあったのね)
ヨンのふっくらとした形の良い唇から目が離せなかった。
(キス、したい……)
ウンスは大きくため息を吐いた。
目を閉じて、ヨンと一度だけ交わしたキスを思い出していたとき。

「ユ・ウンス」
突然背後からぴりぴりとした大声で名前を呼ばれ、ウンスは飛び上がりそうになるほど驚いた。
私のことをこう呼ぶのはあの人しかいない。
振り返ると、ヨンは腕組みをして立っていた。
「は、はい、隊長」
「訓練中にぼうっとするとは何事か」
「すみません、隊長」
ウンスは頭を下げた。
(やだ、ぼうっとしてたの見られてた?)
恥ずかしくて頭を上げられず、そのままヨンの言葉を待った。
しかしヨンは何も言ってこない。
「隊長?」
恐る恐る顔を上げると、ヨンは切なげな表情をしていて、一歩二歩とウンスに近づいてきた。
「どうかなさいましたか。体調が優れぬのでは?」
さっきとは打って変わって優しい口調だ。
「ち、違うの。そうじゃないわ」
全然違うから、と手を振って否定する。
「もしや熱が……」
ヨンは更に近付いて、ウンスの額へ手を伸ばす。
後ろめたさと距離の近さに焦ったウンスは咄嗟に一歩下がり頭を後ろへ引いた。
「やっ、本当に大丈夫だから!」
にこっと笑ってやり過ごそうとするが、ヨンは逃さなかった。
額に触れられず空に浮いていたヨンの手はぐっと伸びてきて、ウンスの後頭部を包み込んだ。
大切なものに触れるように優しく撫でるヨンの大きな手。
「真に? 俺はイムジャのことが心配なのです」
「ほ、本当よ」
ヨンに食い入るように見つめられたウンスは、邪な心を読まれてしまいそうで慌てて瞳をそらした。
はぁ、とヨンは短く息を吐き、ウンスから手を放した。
「体に障るといけない。もう部屋へお戻りください」
「そ、そうね。部屋で研究の続きをするわ」
体調が悪いわけではないが、ここは大人しくヨンに従っておいたほうがいいだろう。
ウンスは、うんうんと頷いた。
ヨンはウンスのそばで待機していたテマンを呼びつけた。
「テマン。医仙を部屋までお送りしろ」
「はい!」
テマンは隊長の指示に元気よく答えた。
「医仙様、行きましょう」
「う、うん。失礼します、隊長」
ウンスは一礼してから、テマンと共に歩き出した。


明らかにおかしかったわよね、私の態度。
いきなり後ろから現れるんだもの。誰だって驚くと思うわ。
大丈夫かしら。変に思われていないといいけど。
自己嫌悪に陥りながら、ウンスはちらと振り返る。
ヨンはまだその場にいて、ウンスをじっと見守っていた。
私がちゃんと戻るかどうか監視してる?
もう、あの人ったら心配しすぎなんだから。
呆れつつも、嬉しくて心がぽかぽかと温かい。
ウンスはヨンが見えなくなるまで何度も振り返りながら、ヨンの部屋へ戻った。


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Category - シンイ妄想

8 Comments

itukitikal  

あの頃のことなんですね。

久しぶりのお話の更新、ありがとうございます。

残念でしたよね~プジャンはタイミングが悪いんだから。

ウンスも妄想しちゃいますよね♪
でも、不自然な態度にヨンが心配してるかも…

2014/08/11 (Mon) 23:13 | EDIT | REPLY |   

にゃんたろ  

わ~い

1・・・とゆうことは
まだまだ続くのですね。。。
むふふ
楽しみです~~

ウンスかわゆいわ~
私がこんだけかわいく感じるのだから
ヨンはもうあなた・・・悶絶かわゆいんだろうな~~

2014/08/12 (Tue) 00:10 | REPLY |   

chihaya  

Re: あの頃のことなんですね。

>いつきさん
あと少しだったのにチュンソクに邪魔されちゃって(笑)
ウンスもキスしたかったんじゃないかと考えた時が妄想の始まりでした。

笑ってごまかすウンスのこと、ヨンは心配するでしょうね~(^_^;)

コメントありがとうございました(^-^)

2014/08/12 (Tue) 00:13 | REPLY |   

chihaya  

Re: わ~い

>にゃんたろさん
まだ続きがあります。
今まで書いてきたものと比べたら長くなりそうな感じです。

この頃のウンスって可愛かったですよね~!
だからヨンも我慢できなくてキスを?(*´艸`)

コメントありがとうございました!(^o^)

2014/08/12 (Tue) 00:22 | REPLY |   

まりんママ  

こんにちワン♪

あと少~~しで唇が触れる・・・・本当に惜しかったですよネ
あの時は全国の皆さんが「ああ~!チュンソクってば!」ってのけぞっていたことでしょう(笑)

ウンスちゃんは何回も思い出しながら頬を染めていたんですね、可愛い♪
そうですよね~~~~ぇ、ゆでダコになっちゃいますよね~

ヨンさん、もっとつっついてあげて~~~~(#^.^#)

2014/08/12 (Tue) 08:51 | EDIT | REPLY |   

ゆりりん  

私も!!

こんにちは、chihayaさんの久々の妄想見つけて嬉しかったです♪

いつもドキドキして読んでしまいます。
ウンスじゃないけど、ホントに熱でたんじゃないかと思うほど胸が熱くなります(//∇//)

キス2が楽しみです♪

2014/08/12 (Tue) 13:49 | REPLY |   

chihaya  

Re: こんにちワン♪

>まりんママさん
こんにちは(^^)

あのシーンはキスして欲しかったですね!
チュンソクも自分の間の悪さを嘆いていたかもしれません(笑)

ヨンとあんなことになったら凄くドキドキしちゃうと思うんですよね♡
二人の行方を見守ってください(*´∀`)

コメントありがとうございました♪

2014/08/12 (Tue) 14:07 | EDIT | REPLY |   

chihaya  

Re: 私も!!

>ゆりりんさん
こんにちは♪

旅日記を書き上げてからと思っていたのですが、我慢できませんでした~(^_^;)

ゆりりんさんがドキドキして読んでくださったなんて、凄く嬉しいです!
これからも頑張れそうです(*^^*)

コメントありがとうございましたヽ(´▽`)/

2014/08/12 (Tue) 14:23 | EDIT | REPLY |   

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