Welcome to my blog

slow step,slow heart

Article page

笑顔(妄想)

Category - シンイ妄想
ヨンとウンスが釣りをする話が読みたいなぁと思っていて、
随分前から妄想していたものを自分で書いてみました。
しかし、自然を描写する能力が皆無ゆえに、画像に頼ってしまいました(^_^;)
釣りの知識も乏しいのですが、それでもよろしければお読みくださいませ。






チェ・ヨンはウンスと共に、遠乗りへ出掛けた。
開京の西を流れる川の上流が目的地だ。
あるとき、ヨンは釣りが得意だと言う話になり、
腕前が見たい、私もやってみたいとウンスが言った。
それならばと、一日暇の許しを貰い、二人で馬で駆けて来たのだった。


20140304.jpg


目的地に到着し、ヨンが釣竿の準備をしている間、ウンスは川面をぼんやりと眺めていた。
ばしゃん、と跳ねた魚がきらりと光る。
爽やかな緑の風が吹き、綺麗な空気を深く吸い込んだら、
ここまでの疲れが取れて、気がみなぎるようだった。
高麗に連れて来られてから何度も危険な目に遭い、慌ただしい日々を過ごした。
こんなふうに自然に囲まれて、のんびりする時間なんてなかった。
でも今は違う。
愛しい人がそばにいてくれる。
新しい生活にも慣れ、穏やかな気持ちで今日ここに二人で来られて良かったとウンスは思った。

川の水も綺麗なのだろうか。
水際まで近付き、手で掬ってみる。
やっぱり綺麗だわ。
冷たくてとても気持ちがいい。
飲んでも大丈夫かな?

「あまり近付きすぎないでください。濡れたり落ちたりされては面倒ですゆえ」
ヨンの忠告に、むぅっとウンスはむくれる。
手の中の水をヨンに向かって投げつけるが、ひょいと軽くかわされた。
「子供じゃないんだから。そんなことしないわよ!…うわぁっ!」
踏み出そうとしたとき、小石に躓いて後ろへ倒れそうになったところをヨンが素早く手を掴み、胸の中に引き寄せた。
「危なかったわ…」
(まことに目が離せぬお方だ)
はぁー、とヨンはため息を吐く。
「この辺りは流れが速いのです。用心してください」
「うん、そうする。ありがとう」
ヨンはウンスの背中に回した手で、そこをぽんぽんと軽く叩き、体を離した。

「準備が整いました」
ヨンの手に握られている二本の釣竿。
細い竹を幾つか縦に継いだ竿に、毛針の付いた釣糸が結ばれている。
すべてがヨンの手製のものだ。
「ひょっとしてこれ、あなたが作ったの?凄いじゃない!」
「いえ、これぐらい簡単に作れます」
「この毛針も?知らなかったわ、チェ・ヨンって手先が器用だったのね!」
ヨンは得意気に顔を綻ばせて言った。
「イムジャ、始めましょう」





「面白くない」
ウンスはまたもやむくれていた。
「全然釣れないんですけどっ」
始めてから半刻ほどでヨンは三匹釣り上げたのに対し、ウンスにはアタリすらこなかった。
「先程教えて差し上げたでしょう。イムジャは竿を下げ過ぎです。俺をよく見て、真似てください」
「ちゃんとやってるじゃない。こうして、動かせばいいんでしょ?」
ウンスは竿を上下に大きく揺らしている。
雑なウンスに、ヨンはまたもやため息を吐く。
「ああ、そのように動かしては魚が逃げてしまいます。もっとこう、ゆっくり小刻みに竿をあおるのです」
「ったく、もう。分かってるわよ!」
そうしている間に、ヨンの竿がしなり、また一匹釣り上げた。
短時間でそんなに釣るなんて、たいしたものだとウンスは感心する。
(よーし、見てなさい。負けないんだから!)
ポイントを変えるため一旦釣糸を引き上げる。
竿を大きく振り上げ、今度こそ釣れるように願いを込めて力一杯投げ込んだ。





「面白くない」
ウンスのイライラが頂点に達しようとしていた。
「ちーっとも釣れやしないわ!」
ヨンが四匹目を釣ってから、二人の竿には魚がかかることなく、時間だけが過ぎていった。
かける言葉が見つからず、ヨンは黙ったままウンスを見つめていた。

イムジャには、この釣り方は容易ではなかったか。
こうなるはずではなかった。
ただ、イムジャが楽しく笑う姿が見たかった。
俺のせいだ。
俺がこのような場所へお連れしたばかりに……。
自責の念に駆られるヨンだが、ウンスの釣糸がふと目に留まる。
明らかに魚が今にも食いつこうとしている動きを見せていた。
「イムジャ、分かりますか」
「えぇ?なにがぁ?」
「手の感触に気を集中して。魚が当たっているでしょう」
「うそっ!全然分からなかった!」
吊り上がっていたウンスの眉が一瞬にして下がり、ヨンの方に顔を向けた。
「俺が今、と言うたら竿を上げてください」
うんうん、と頷き水面を見て集中するウンス。
ヨンも注意深く水面を見て―――。

「今です!上げて!」
「やぁっ!」
ウンスが勢いよく釣竿を上げる。
するとそこには見事な大きさの魚が食らいついていた。
「わぁ!やったわ!ねえ、見て!」
「はい、見ております」
さきほどまでの怒りが吹き飛び、目を輝かせているウンスに、ヨンは目を細める。
「ほら、私が釣ったのよ!こんなに大きいの!ねえ、あなたのより大きいんじゃない!?」
「そのようです」

(やっとだ。やっとイムジャが笑うてくれた)

ウンスが沈んでいると、ヨンの心も落ち込む。
ウンスが明るく笑っていると、ヨンの心も踊り、温かくなるのだ。
喜の気に満ち溢れ、満面の笑みを浮かべるウンスに見惚れていたヨンは、
自分の頬が緩むのを抑えようともしなかった。

「ちょっと、ぼうっと見てないで、早く外してよ」
「えっ、ああ」
糸を掴んで魚を針から外し、水を張った桶にそっと入れる。
「やっぱり、私の魚が一番大きいわね!」
数よりも大きさで勝っていることに、ウンスは上機嫌である。
ヨンにとっては勝ち負けなどどうでもよく、ウンスと釣りが出来て、
ウンスの笑顔が見られたことが、ただただ嬉しかった。
魚一つでこうも笑ってくれるウンスが愛おしくてならなかった。

いつかまた釣りにお誘いしよう。
そう思うヨンだった。






※魚はヨンとウンスが美味しくいただきました。

スポンサーサイト

Category - シンイ妄想

8 Comments

itukitikal  

何故釣りを?

こんばんは(^^)

ヨンが釣りをしていたからですか?私も釣りは分かりませんが…

しかし綺麗な画像を見るとヨンと行ってみたい~と単純な私(^-^)/

ウンスがむくれたり、転けそうになってヨンが助けたりと、目に浮かびますね~

たまには二人っきりで出掛けてノンビリする二人、そんな幸せも良いですよねぇ♪v(*'-^*)^☆

2014/03/04 (Tue) 20:11 | EDIT | REPLY |   

h-imajin  

ほのぼの~(*^^*)

こういう何気ない日常って良いですね~
ウンスが釣れなくて機嫌が悪くなるの、わかるわかるって感じですね^^
ほっこりしました(^-^*)

2014/03/04 (Tue) 20:53 | EDIT | REPLY |   

chihaya  

Re: 何故釣りを?

>itukitikalさん
こんばんは!
ドラマの中でヨンは釣りが得意だと言っていたので、
ウンスと一緒にしたら楽しそうだなと思ったのです。
ネットで釣りのこと調べて頑張って書きました(^_^;)
二人でいろいろな場所に出掛けて、
楽しく幸せな時間をたくさん過ごせたらいいですね♪

2014/03/04 (Tue) 21:03 | REPLY |   

chihaya  

Re: ほのぼの~(*^^*)

>h-imajinさん
ウンスだったら釣れなくて機嫌が悪くなったり、
釣れたら大喜びしそうだなぁと妄想しました(^-^)
そんなくるくる表情の変わるウンスを見て可愛いなとヨンが思っていてくれたら(*´∀`)
ほっこりしたとのお言葉、嬉しかったです!

2014/03/04 (Tue) 21:15 | REPLY |   

りえ  

楽しい!

ちはやさん、おはようございます。

二人の釣りの様子、とても楽しそうでこっちまで嬉しい気持ちが伝わってきました。

手製の釣竿をほめられて得意げなヨン。
あたりが来なくてつまらなそうなウンス。

ふたりが並んで釣糸をたらしている姿が目に浮かびました。

すてきなお話を読ませていただき、ありがとうございます。

2014/03/05 (Wed) 05:13 | REPLY |   

にゃんたろ  

すごくイイ^^

あまり近付きすぎないでください。濡れたり落ちたりされては面倒ですゆえ

このセリフから私の食いつきはバッチリでした!

二人の情景が目に浮かんできましたよ!!
のどかな日常がヨンにとってどんなに幸せか・・・ウンスの笑顔がどんなに嬉しいか

くううう~~ 今日は幸せな気分になりました。ありがとうです。

2014/03/05 (Wed) 12:57 | EDIT | REPLY |   

chihaya  

Re: 楽しい!

>りえさん
こんにちは!
二人仲良く、ヨンの得意な釣りを楽しんでほしくて書きました。
ヨンは、釣竿でも何でも器用に作れそうなイメージがあります。
ヨンほどの達人だと、釣竿を使わなくても、素手で魚を捕まえられそうな気もしますが(笑)
楽しんでいただけて嬉しいです!

2014/03/05 (Wed) 14:33 | REPLY |   

chihaya  

Re: すごくイイ^^

>にゃんたろさん
やった~ヽ(´▽`)ノ
にゃんたろさんが食いついて下さったわぁ~!
ヨンはいつでもウンスに笑っていてほしいと思っているだろうし、
二人でいる時はヨンにも笑顔でいてほしいと私は思います。
読んで下さった方々に、目に浮かぶとコメントいただけて幸せです(*TωT)
ありがとうございました!

2014/03/05 (Wed) 14:48 | REPLY |   

Post a comment